イベント開催報告 – つながり in 松山

『四国を元気にプロジェクト』第一弾
「つながりin 松山」対話から生まれる 私と地域の未来 〜IDGsのフレームワークで考えてみよう〜

「まちを変える原動力は、特別な誰かではなく、私たち一人ひとり」
この想いから始まり、愛媛の松山で初めて開催となった、内面の成長を基盤とした持続可能な地域づくりのイベント「つながりin 松山」を、6月7日・8日の二日間、盛会のうちに終えることができました。

会場は、ご協賛いただいた株式会社門屋組本社の七曲ホールをお借りしました。災害時に地域住民に解放するという理念のもと、あえて1階エントランスに設置されたこのホールは、まさに「地域とのつながり」を体現する空間でした。
門屋組様は国連が提唱するSDGsに賛同し、2030年まの10年指針に持続可能な社会の実現を掲げて積極的に取り組まれています。そのSDGsの達成に不可欠とされているIDGs(内面の成長目標)のフレームワークを活用することで、松山で初めてとなる「人の内面的成長と地域活性化を結びつける」ワークショップを開催できたことを光栄に思います。

1日目の様子

まず、このイベントの趣旨を説明した後、ワークショップ全体にフレームワークとして活用するIDGs、より対話や創造性を深めるために使うPoints of You®のカードの説明をしてから、参加者の自己紹介へ。その後、自分自身や他者と繋がり、それぞれの理想の愛媛について深く語り合いました。

地域で活動する実践者たちの声

地元で活動する4名のゲストスピーカーをお迎えし、それぞれの地域活性に関する活動内容と今後の想いを語っていただきました:

  • 平井伊津子氏:西予市で地域任用職員として働きながら、農業や音楽活動をされている
  • 川﨑 元氏:松山市三津浜で次世代を担う子どもたちに情熱を注ぎ、子ども食堂を展開している
  • 坂本 大蔵氏:今治市を拠点に、しまなみ海道でサイクリング事業を推進し、自転車を愛してやまない
  • 門屋 光彦氏:松山市内の建設会社の4代目社長として、お客様、社員の満足や幸せを考え、地域貢献にも熱心

4名のお話は、地域のこれからを考える参加者の皆さんにとって、とても刺激があり、またモチベーションの上がる内容となりました。

午後の「未来を描くセッション・地域活性化プログラム」では、チームに分かれて愛媛・松山の未来について議論し、チームごとで地域活性のテーマを決め、その内容についてワールドカフェ形式で全体に共有し、1日目を終えました。

2日目の様子

2日目から参加の方もいらっしゃったので、楽しい仕掛けを入れながらの自己紹介を行いました。

その後、各チームで決まったテーマでの地域活性プログラムのブラッシュアップ後、具体的な内容の作成に取り掛かりました。この段階では、会話が弾むレベルを超えて深いコミュニケーションが生まれ、それぞれのアイデアを持ち寄って協働する中で、ひとつのプログラムがビジョンボードとして可視化されていく様子がとても頼もしく、皆さんの熱量をとても感じました。

各チーム、それぞれの価値観や強みなど個性を認め、活かしながら、今後につながる魅力的なプログラム(ビジョンボード)を完成させました。発表後のフィードバックセッションを通じて、プログラムがより「自分ごと」として捉えられたこともあり、振り返りの中では、参加者一人ひとりが今後の具体的な行動を宣言することができました。

生まれたプロジェクト

2日間のワークショップを通じて、以下のような具体的なプロジェクトが生まれました:

Aチーム:「愛媛のどこでもお接待の心でまっとるけん!~ワクワク愛顔広がれ~」

Bチーム: Project♡I  企業型子ども食堂

Cチーム: スマイルプロジェクト– 地域のスペースの有効活用でみんなが笑顔になる

IDGsフレームワークの効果

IDGsのフレームワークに沿ってワークショップを進行したことで、以下のような効果を実感できました:

  • 初対面同士でも本音で対話を重ねることで深いつながりが生まれた
  • 自分自身の価値観や想いを見つめ直し、地域との関わり方を新たに発見できた
  • 多様な視点を尊重しながら、創造的なアイデアを協働で生み出すことができた
  • 単なるアイデア出しで終わらず、具体的な行動への意志と計画を形成できた

二日間を通して、サブタイトルの「対話から生まれる 私と地域の未来」をみんなで共に創り上げることができ、一人ひとりの想いと行動が確実に「まちの元気」につながることを実感しました。

参加者の声

ワークショップ終了後のアンケートで、参加者の皆さんから学びや気づき、感想をいただきました。

  • 異業種の方々が参加されていて、いろいろな視点からの発想や思考過程を体験することができました。
  • 地域を想う大切さと、内面のことをアウトプットすることの大切さを感じることができました。
  • 主催者のみなさんの愛媛を思う熱い気持ちや登壇なさった方の問題意識と夢をもった実践スピーチによって、刺激をいただきモチベーションが高まりました。
  • IDGsの概念や実践の場を理解経験できたことも面白く、Points of You®のカードを使うことで何気ない対話に広がりが生まれたのも興味深かった。グループでの対話の時間では、グループの方と感じたことを率直に分かち合うことで、視点と視座の違いから学びを経て、自分の視野が広がる感覚を得ました。
  • IDGsという着眼点を知ることで、『あり方にとどまらず、考え関係性を築きながら、他者と共に、という感覚をもって行動していく』、このプロセスを今後、意識していけそうだと思いました。
  • 今の内面の気持ちを表現することに刺激と学びを感じました。また、四国を元気にするプロジェクトで、一期一会の方々と地域の未来を考えて一緒につくりあげていくプロセスにも学びを感じました。
  • 自己紹介からはじまり、それぞれの感性の中、チームで進めていく流れは素晴らしかったです。おかげで、様々な方々とつながることができました。
  • チーム内で議論を重ねる際に、相手の意見を尊重しながら自分の内面の正直な意見を言うことができたと思います。
  • いつもと違う場で自分らしく参加できたことが良かったと思います。
  • 地域のことで年齢性別関係なく みんなと話ができたことが学びになりました。
  • 登壇された方々の印象が強く、一人一人の生き様が素晴らしいと感じた。
  • この地域で、情熱をもって活動してこられた方々の存在を知ることができ、また、参加者のみなさんからもパッションと力強いエネルギーをいただいた。
  • 『すぐできることから』の具体的な行動案が生まれた。

おもてなしと地域の味

一六本舗様からご提供いただいたお菓子は、ワークショップ中に皆さんに自由に取っていただき、愛媛の味を楽しみながら交流を深めていただけました。ランチには地元の自然な素材を使った「じぃ家」のお弁当をいただき、地産地消の美味しさを満喫できました。

門屋組社屋の見学

社員への愛情や居心地の良い会社づくりへの配慮を随所に感じることができ、まさに健康経営の実践を垣間見ることができました。

今後に向けて

今回生まれたプロジェクトを一過性のものにしないよう、各チームの進捗を追いかけ、実践を見守っていきます。

現時点では、第二弾も松山での開催を予定しています。今回ご参加いただいた方、また新たな方も含めて、IDGsのフレームワークをさらに体験していただき、個人の内面成長が集団の力を高めることを実感できる、より充実したワークショップにしていきたいと思います。

感謝

協賛くださった、株式会社門屋組様株式会社まちづくり松山様株式会社一六
後援くださった、株式会社テレビ愛媛様松山商工会議所様
心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。